「大岡、おまえにはテニス進学のオファーが来ている」
「はい、コーチ」
「しかし、最低限の基礎学力が無いとさすがに合格にできないそうだ。英語と数学の基礎を何とかしろ!」
大岡は必死に勉強した。
しかし、テニス馬鹿の脳は、そう簡単に英語や数学を受け入れなかった。
業を煮やしたコーチは最後の手段を執った。
「オレの夫人で替え玉受験だ!」
「しかし、女には交換できる玉がありません!」
「男の玉だって交換できないよ」
結局、大岡は英数を勉強した。
(遠野秋彦・作 ©2013 TOHNO, Akihiko)